2003.07  国営アルプスあづみの公園の現状
 「国営アルプスあずみの公園の木々に防虫のパラゾールが沢山ぶら下がっていて、環境的に心配」というメールをもらいました。そこで、県道側から確認、近くへは許可を得ないとダメということで、公園事務所に申込み、国交省の職員の方に案内していただきました。国営アルプスあづみの公園は、堀金村・穂高町、松川村・大町市の2カ所に建設中の都市公園、来年度の一部開園をめざして建設工事が行われています。パラゾールの件も含めて、堀金村・穂高町地区での国営アルプスあづみの公園の現状を報告します。



猿よけに、実験的にパラゾール

 植樹した木の新芽や皮を猿が食べてしまうので、猿よけで実験的に下げていとのこと。パラゾールは引き出しに入れる小さい袋入りのものを2こずつブルーのネットに入れ、何百本とある植樹した木に数袋ずつ下げてありました。数は多いのですが洋服ダンス用の大きなものではないので、環境的にはさほど心配ないかなとは思いました。ただ、ブルーの袋が沢山ぶら下がっているのは、異様な光景。というより、林だったところをわざわざ切り開き、芝生を植え、植樹し、猿に食べられるからとパラゾール、何だかとっても滑稽な感じ。我が家の回りにも猿は来ますが、自然の林ならどんどん樹木が生えてくるから、猿に全部食べられることはありません。パラゾールがぶら下がっていないのは、植樹したものの枯れてしまった木でした。猿害かどうかはわかりませんが、枯れている木も沢山ありました。



段々花畑

 段々花畑、開園時には違う色で段々ごとに花が植えられるのでしょうか。芝生の間に植えられた草花にもナフタリンが。猿が球根を食べてしまうから?
 上の方の写真といい、この段々花畑といい、曲線を生かしてデザインされていて、造園的に見たら良く造られた公園なのでしょうけれど、ここがかって赤松と広葉樹の混合林(造園工事された公園の周辺の、濃い緑の所)だったことを思うと、わざわざ切り開いて・・・と複雑な気持ちになるのは、私だけ?



段々池or棚田の池?
 美しい曲線のデザインに見事に石が敷き詰められた池、造るのが大変だったでしょう。
 ここへは、下の方の写真の用水路から水が入れられるそうです。しかし水利権の関係で、また最後に用水路に水が戻るように造られているとのこと。さぞかしお金もかかったことでしょう。
 公園の下の方で用水路の水を使って田圃をやっている方が、「俺は上に公園を造ったら、水が汚れるから反対だったんだ」と。自然の植物などで囲われた水路なら浄化能力があるでしょうけれど、石が使われているとは言え、コンクリートで固めてあるわけで、ここを流れた水は、きれいなままでいられるのでしょうか。
 池の他にも人工のせせらぎや、公園の一番低いところに雨水をためる池も造られていました。人家や道路のすぐウラまで公園になっていたとは、道路を走っていても気付きませんでした。



段々野原と、すぐ横の公園フェンスを挟んで本物の田圃
 段々野原の土手にはクローバー、植えられたもの?ここは棚田だったところを利用してつくられたのでしょうか、すぐ横の公園境のフェンスを挟んで向こうは、青々と稲が育っている田圃、そのコントラストを見ていると何とも言えない気分になります。
 野原にせずに田圃のまま残し、米作りをしたい人に貸すとか出来なかったのでしょうか。もし、あづみの公園は里山保全のためというなら、それはウソです。



造り直した用水路
 烏川の水を取水し下の田圃へ水を供給していた用水路は、造り直したそうです。左は昔の用水路跡。段差のあるところをすごい勢いで水が流れていて、これを見ていたら、今長野県では脱化石燃料や脱原発、地空温暖化防止のための発電として一番有効ではないかと言われている、小水力発電が何カ所も出来そうなのに、もったいないなあと思ってしまいました。水利権の関係で難しいかもしれないけれど、電力を売ったお金の一部は、水利権組合に回すとか工夫は出来ないの?



 炎天下で芝を植えたり作業している沢山の土木建設業の方、私たちが歩いているのでゆっくり運転してくださるダンプの運転手さん、説明してくださった職員の方、熱い車の中で待っていてくださった職員の方、皆まじめに一生懸命やっているのに、なぜこういうものが出来るの?と思うと、なんだか、悲しく、悔しい気持ちになりました。右の写真は古墳、一つ残してありました。同じく安曇野の西側の我が家の回りには古墳群がありますが、もしかしたら、ここも古墳群があったかもしれません。
建物は沢山建てず、押さえ気味に造ったとのこと、左写真のような和風の休憩所は幾つかありました。下の写真は有料公園なのでゲートを含むセンター施設。建物に関しての正直な感想は、ここに似合わないデザインや色だなあと・・・。休憩所は和風の庭園ならともかく。また、センター施設も景観を配慮してグレーなのでしょうか、私のイメージは、県産材を外観にもふんだんに使ったものでしたが、違いました。木風にした鉄筋コンクリートのようです。



 オープンに向けて、懸命に工事を進めている国営公園のことを、こんな風に書きたくはないけれど、初めて中を見て、やっぱり・・・、そんな風に思ってしまいました。観光客は安曇野に来て、芝生の公園や、造られた池を見たいのでしょうか。
 ここを安曇野観光の拠点にするなら、よほどすぐれたコンテンツがないと、何度も来てはもらえません。でも、一番すてきなコンテンツの可能性になるものを、ここは手放してしっまったのでは・・・と思えてなりません。