ワインの種類

ワインとは、ぶどうを原料として発酵させたものの総称です。
ワインの仲間は、製造方法によって次の4つのタイプに分類されます。

■スティル・ワイン(テーブル・ワイン)

一般的なワインをこのように呼ぶことがありますが、ぶどうを発酵させ、炭酸ガスを残さない非発泡性ワインのことです。
スティル=「静かな」と言う意味で、非発泡性を表わしています。食事とともに飲むのが一般的で、テーブルワイン(食卓ワイン
)とも言います。
糖が発酵するときに発生する炭酸ガスを空中に発散させるようにして製造し、瓶詰されます。
アルコール度数は15°未満。色は赤、白、ロゼがあり、辛口から甘口まで様々なタイプがあります。


■スパークリング・ワイン

炭酸ガスを閉じ込めた泡立つワイン(発泡性ワイン)です。
スティルワインを瓶に詰め、糖と酵母を添加して、瓶内で炭酸ガスを発生させる瓶内発酵法(シャンパーニュ法)、タンク内で二次発酵をさせる方法(シャルマ法)、炭酸ガスを吹き込む方法などがあります。
フランスのシャンパーニュ地方のシャンパン、ドイツのゼクト、イタリアのスプマンテ、スペインのカバは、広く知られています。
日本では、「シャンパン」はスパークリングワインの代名詞のように使われていますが、フランスのシャンパーニュ地区で瓶内発酵法によって製造したもののみが正式に名乗ることができます。


■酒精強化ワイン(フォーティファイド・ワイン)

発酵過程でブランデーなどの強いアルコールを加え発酵を止めたもので、 アルコール度数15°~20°に高めたワインです。
代表的なものにシェリー、ポート、マディラなどがあります。


■混成ワイン(フレーバード・ワイン)

スティル・ワインに薬草や香辛料、蜂蜜、果汁などで香味付けし、つくったワインです。
イタリアのベルモットが薬草系、スペインのサングリアは果汁系として有名です。

   

世界のワインの消費量

ワイン消費大国であるフランスとイタリアの1人当たりの消費量は、年間約60リットル。
1週間に1本以上は飲んでいる計算ですが、これでも、最近は健康面などから、
量より質を選ぶ傾向が強まり、消費量は半減しています。
とはいえ年間2~3リットルの日本とは桁違いの消費量です。

   ワイングラスの役割

ワインを専用のワイングラスで飲むにはそれなりの理由があります。
グラスに足がついているのは、持ったときの手の温度でワインの温度が変わらないようにするため。
原則として赤が白よりも大きめのグラスが選ばれるのは、赤は常温で空気にふれさせたほうが
香りが出るためだからです。

   

なぜワインはコルク栓なの?

ワインは、空気を断ち長く熟成させるほど風味が増すお酒。そのため、弾力性と気密性があり、
腐りにくい自然素材のコルクは、ワインには欠かすことができません。
また、コルク栓の胴に醸造元の焼印が押されているのは、ワインの製造元の証であり、
ワインの名刺代わりになっています。

   

ワインを買ってきたら

ワインをお店から買ってきたら、すぐに飲まないで、家で少し休ませるのがポイント。
理由は、運んでいる間にワインの中身が暴れた状態になっているから。
1週間から1ケ月くらい寝かせておくのがベターです。
パーティーなど予定が決まったら、前もって買出しに行っておきましょう。

   

ワインを飲むタイミング

ワインは飲む前に、空気に触れさせておくとおいしく頂けます。
一般的に、熟成のかなり進んだものは開けてすぐ、あまり熟成していないワインは
30分~数時間程度置いてから、飲むと良いと言われています。
強い渋味を和らげるためには、半日~1日置いてみるのも良いでしょう。

    ワインを飲む順序

ワインは料理との相性だけでなく、飲む順序も大事です。
濃厚なワインを先に飲むと、軽いワインは水っぽい感じがします。
白→赤、辛口→甘口、軽いタイプ→コクのあるタイプというのが、
おいしく飲むための基本的なルールです。
「気軽な味わいから、濃厚で豊潤な味わいへ」と覚えておくといいでしょう。

   

ワインの色の見方

ワインの色は、熟成年数で変化していきます。色の濃淡は、ワインの飲み頃を知るひとつの
目安になります。白いテーブルクロスの上で、ワインを注いだグラスを少し斜めにすると、色が良く
分かります。赤ワインは、ややレンガ色、白ワインは、薄い麦わら色、ロゼワインは桜色が飲み頃です。

   

アロマとブーケ

ワインの香りを表現する時に使う言葉。
「アロマ」はその葡萄が本来持っている香りをさし、「ブーケ」は、ワインが樽や瓶などで
熟成するにしたがって生まれる香りのことです。
ワインは発酵、熟成によって香りが生まれるため、熟成させて風味が向上した赤ワインによく感じられます

   

ワインの瓶があげ底なのは?

ワインが熟成していくと、タンニンや色素などのぶどう成分が不溶性になって沈殿し、澱ができます。
この澱はワインを注ぐときにグラスに入ると味が悪くなるため、瓶の底をあげ底にすることで、
底のドーナツ部分のくぼみに澱が沈殿し、外に出にくい仕組みにしているわけなのです。

 

ワインの熟成

ワインは熟成させるほど味や香りに深みが増していきますが、
瓶詰後も熟成を続けるのは他のアルコールにはない特徴です。
ウイスキーやブランデーはいったんボトルに詰めた後は、何年たっても味が深まることはありません。
「何年もの」という言葉で語られるのはワインだけなのです

   

ワインのおいしさ

ワインをおいしく感じるかどうかは、値段に比例するわけではありません。
料理をしっかり味わいたいときは、あっさりとしたワイン、味や香りをじっくり楽しみたいときは、
力強いフルボディのワインがおすすめです。
個人の好みやシチュエーションでワインのおいしさは変わるのです。

 

賞味期限表示がないのは?

ワインには賞味期限の表示がありません。ワインは普通の食品のように、
製造直後から劣化するのではなく瓶詰め後も10年以上にわたり熟成を続けるからです。
このような商品に一律に賞味期限表示を行なうことは、食品衛生法の賞味期限表示の考え方とも
合致していないということです。

   

ワイングラスの選び方

ワインは味だけでなく香りも楽しむので、香りを逃さないために、ブルゴーニュ型やボルドー型など
ふちがやや内側にカーブしているものを選びましょう。ふちが広がった浅い形のソーサー型は炭酸や
香りが逃げやすいので、乾杯用に向いています。基本的に赤ワインは白ワインより大き目のグラスを
使います

   

国産ワインの歴史

日本でワイン造りが始まったのは明治維新から。
政府はヨーロッパやアメリカからぶどうの苗木を輸入して、ワイン醸造を奨励しましたが、
当時ワインは、日本の食生活に受け入れられず、甘味果実酒の原料として使用されていました。
日本産のワインが広まったのは、戦後になってからです。

ワインの世界を一層楽しむために…ぜひ知っておきたい基礎知識や

ちょっとしたお役立ち情報を紹介します。

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